静かな霧雨が、瓦屋根を湿らせていた。
人影もまばらな商店街、閉じたままの喫茶店、濡れた路面に滲む灯り。
することも、会う人もいない。ただ、雨を眺めて、曇ったガラス越しに深呼吸。
都会の喧騒からこぼれ落ちたようなこの場所に、
理由もなくやってきた。でも、不思議とここには居られる気がした。
ただ、いる。
雨が止むのを待つでもなく、自分の心が整うのを待つように──。
① 艶めかしき絵空事/Strawberry Fields
湿った風とアンニュイなメロディが絡み合う1曲。
未練や思い出を断ち切るつもりはないけれど・・・
② Take Me Somewhere Nice / Mogwai
内省と静かな願いが交差する、ポストロックの名曲。
曇った空の下で、遠くを見つめるような気持ちになれる。
③ Grandfather’s Waltz / Marius Klovning
揺れるようなリズムが、記憶をなぞるようにやさしく寄り添う。
まるで祖父母の家で雨音を聞いているような懐かしさ。
④ surfer in Dec(12月のサーファー)/ takahashipierre
曇天の空と水たまりを踏む音が聴こえてきそうな、ローファイ・メランコリック。
飾らないからこそ滲み出る、本当の「さびしさ」。
⑤ A Secret Love / TOTO
古びたレコードのように湿ったバラード。
どこか昭和の街角のムードを感じさせるメロウな1曲。
⑥ 君は雨 / 大橋トリオ
タイトル通り、雨と感情を重ねるような優しい名曲。
にじむギターとヴォーカルが、心の中の曇り空に溶け込んでいく。
※選曲はあくまで選者の独断と偏見によるもの。曲名や歌詞が必ずしもプレイリストのテーマと一致するわけではありませんが、曲調や雰囲気がどこか皆様の心に響くことを願っています。※可能であればアプリの自動再生機能はOFFでご視聴頂けますとより静かに余韻を感じられると思います。
🕯️ 今日の香りのペアリング
都会で傷ついた心に必要なのは、
元気づける香りではなく、静かに自分を受け入れる香り。
🌿おすすめブレンド
- フランキンセンス精油
…過去と向き合う力をくれる、深く静かな香り。 - サンダルウッド精油
…霧雨に似たあたたかさと、落ち着きを与えてくれる木の香り。 - ネロリ精油
…寂しさの奥にある繊細な希望を、そっと浮かび上がらせてくれる。
🧴ブレンド例
フランキンセンス1滴 × サンダルウッド2滴 × ネロリ1滴
💡おすすめの使い方:
ハンカチに1滴。鄙びた街の喫茶店で、窓の外を見ながら香りを吸い込んでみてください。
「ここにいていい」と思える瞬間が、きっと生まれるはずです。
🌙 やることがなくても、意味のある時間
何もしない、何も決めない、
でも、何かが確かに整っていくような時間。
そんな“曇り空の午後”に、香りと音がそっと寄り添いますように。
また、灯火のもとで。
コメント