あまりにも暑すぎたある真夏の午後。
夕方からのイベント準備のために、人のまばらな会場にひとりで立っていた。
陽射しは強烈で、脳が煮えるような感覚すらある。 昨晩は少し飲みすぎていたこともあり、頭はぼんやりしていた。
視界の奥、陽炎の揺らぎの中に、ふと現れたのは 白のワンピース一枚を身にまとった女性。 肌や髪の色も佇まいも、どこか異世界の空気を纏っていた。
まるで蝶々のように、とても軽やかな足取り。 その姿に吸い寄せられるように、僕は数歩あとを追ってみた。
けれど──気づいたら彼女の姿は、どこにもなかった。
あれは現実だったのか、それとも幻だったのか。
しばらくぼんやり立ち尽くしていた。
エゴも働かないほどの暑さの中、魂だけが受信できる何かが、 この世界に現れていたのかもしれない。
1. Brazil – Wunder
ミストのようなイントロに包まれて、現実の輪郭がゆるやかに溶け始める。
真夏の午後、どこからともなく流れてきたメロディに、時間の感覚がほどけてゆく。
2. Sunspray – Blackbird Blackbird
光が水面に反射しているような音像。
白いワンピースが陽炎のなか、ふわりと揺れる──そんな幻の残像をなぞるような一曲。
3. Warmpop – ESPRIT 空想
意識が遠のくようなレトロさと、ゆらぐ現実感。
ノスタルジーという名の深層記憶が、音の奥から静かに立ち上ってくる。
4. You Were There With Me – Four Tet
「誰かがそこにいた」そんな確信と曖昧さが混ざり合う音の粒たち。
記憶の中の風景が、優しく波打ちながら再生される。
5. Valerie – Broadcast
少し影を帯びたサイケデリックな音像。 暑いのになぜか冷んやり、この世とあの世、夢と現実の境目に立って、 何かを見たような気がする──そんな“ひっかかり”が残る音。
6. Summer – wheat
すべてが溶けて、遠ざかっていくようなラスト。
もう手の届かない景色を、胸の奥でそっと見送るような、静かな夏の終章。
※選曲はあくまで選者の独断と偏見によるもの。曲名や歌詞が必ずしもプレイリストのテーマと一致するわけではありませんが、曲調や雰囲気がどこか皆様の心に響くことを願っています。※可能であればアプリの自動再生機能はOFFでご視聴頂けますとより静かに余韻を感じられると思います。
🌿幻を振り返る静かな夏の時間に寄り添う香り「サイレント・シグナル 」
🌿おすすめの使い方:
清涼感をひとさじ加え、暑さでこわばった心と体をほどきます。 ディフューザーで香らせてもよし、植物油10mlにブレンドして胸元やうなじに塗布しても。
ひんやりとした清涼感と、奥深くにある静けさがゆるやかに広がっていきます。
🕯️エゴすら沈黙する真夏の午後の幻は・・・
幻は嘘ではない。エゴが沈黙の隙に自分の内面が ひょっこり現れた現象。 外に見えるものすべてが、自分の内面の風景。
もしこの夏、あなたがふと現実が夢のように感じたなら、
それはきっと、魂があなたに話しかけているサインかもしれません。 その声に気づくために──
今日も音と香りが、そばでそっと寄り添ってくれますように。 また灯火のもとで。
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